「茅場でススキ刈り、ススキ細工を作ろう」イベントレポート

2021年10月2日(土)に神戸市北区道場町にある谷家住宅茅場で、「茅場でススキ刈り、ススキ細工を作ろう」イベントが開催されました。同イベントはNPO法人神戸茅葺きネットワークが企画。ススキやどんぐりを使ってミミズクのススキ細工を作ろうという内容です。

NPO法人神戸茅葺きネットワークの大前さん

主催者のNPO法人神戸茅葺きネットワークは、神戸市を拠点として市内および国内外の茅葺民家を中心とした古民家の保存、再生活動に尽力している団体。茅葺民家を活用したイベントを通してその魅力や文化財的価値を発信しています。

みんなの茅場

みんなの茅場

今回の会場となった谷家住宅茅場(みんなの茅場)は約4年前に、休耕田だった土地にススキ苗を植えて作られた茅場です。

大前さんによると、茅場のススキは株より育ちます。春に芽吹き、すくすくと育ちます。8月ごろ葉の先端に穂がつき、9月ごろに穂が開花し、1ヶ月ほどしたら種が落ちてふさふさとしたかたちになります。
そして、枯れたススキを翌年の2月に刈り取ります。刈り取った茅は、屋根葺き作業に使いやすい直径20cm程度の束にします。この茅束は、茅葺き職人さんに納めます。
刈り取りが終わった茅場には火入れをします。火入れは、焼畑農業と同じように害虫の除去と土壌作りの側面をもっており、春に芽吹きすくすく育つというサイクルが繰り返されるそうです。

大前さんから茅場や茅葺民家についての話が終わったあとは、いよいよススキ細工作り開始。作り方を動画で確認し、まずは作業場の裏にある谷家住宅茅場で、使用するススキを20本ほど刈り取ります。

イベントには3名のお子さんも参加し、大人に手伝ってもらいながらススキ刈りに挑戦! 自分で作る工作のススキということで、ススキ選びも真剣そのもの。大前さんからのアドバイスをもらいつつ、「これだ!」と思うススキをどんどん刈り取っていきます。

必要なススキの刈り取りが終わると、再び作業場に戻ってススキ細工作りを開始。事前に動画で流れを確認しましたが、思った以上に難しい作業に皆さん苦戦していました。

特に難しいのは束にしたススキを手前に折り返し、顔やお腹になる部分を作るところ。作業時間は1時間ほどありましたが、皆さん集中して取り組んでいました。

和気あいあいと雑談を交えながらアットホームな雰囲気で進んだイベントは、約2時間で終了。参加者にはお土産として枝豆も配られました。

完成した作品と一緒にみんなで記念撮影

ススキ細工作りの参加者からは、「想像以上に難しくて大変でしたが、ススキ刈りもススキ細工作りもとても楽しかったです」「天気にも恵まれ、自然に囲まれた場所で普段はできない体験ができました」と好評でした。

NPO法人神戸茅葺きネットワークでは今後も茅葺民家を知ってもらうために、定期的なイベントを開催予定。興味がある方は、ぜひFacebookページをチェックしてみてください。

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