北区農村歌舞伎上演会の動画配信スタート!

令和2年11月1日に、神戸市北区の国営明石海峡公園神戸地区あいな里山公園の農村舞台で上演した農村歌舞伎の収録映像をインターネット配信します。

 

神戸市北区は、約700棟の茅葺き民家が残る美しい農村地域です。なかでも貴重な民俗文化財である農村歌舞伎舞台が数多く保存されています。毎年秋には、その農村歌舞伎舞台を利用して、農村歌舞伎の上演会を行っていますが、今年度は新型コロナウイルス感染防止のため、舞台での実演鑑賞は断念し、収録映像のインターネット動画配信を行います。

 


1.前編

演目:「子宝童謡夢物語」、「菅原伝授手習鑑」より「車引の場」

出演団体:六甲丹生かぶき、六甲丹生かぶき親子教室

2.後編

演目:「仮名手本忠臣蔵」より「祇園一力茶屋の場」

出演団体:神戸すずらん歌舞伎

 

 


1.出演団体について

六甲丹生かぶき

子ども歌舞伎の卒業生が中心になって作った団体で、中には芸歴20年の強者もいます。卒業生でないメンバーもおり、歌舞伎が大好き、やってみたいみたい人なら誰でも参加できるグループです。自分たちが楽しむだけでなく、子どもたちにも歌舞伎の楽しさを伝えたい。そして、いつか自分たちの仲間になってくれることを期待しつつ、3年前から親子教室を開催しています。

 

神戸すずらん歌舞伎

平成11年度から行われている農村歌舞伎体験教室の修了生を中心に結成されました。神戸市北区内に現存する農村歌舞伎舞台のほか、公共施設、寺社、小学校等で上演活動を行っています。地域文化貢献で兵庫県より令和元年度「ともしびの賞」を受賞しました。設立当初は三代目市川箱登羅先生、そして現在は立花志十郎先生から指導を受け、研鑽に努めています。

 

2.演目について

「子宝童謡夢物語(こはたからわらべうたゆめのかけはし)」

六甲丹生かぶきの初めの師匠である、三代目市川箱登羅によって、子どものために作られたお芝居です。「白波五人男」を模して、おとぎ話に出て来る5人のヒーローたちが、北区の六條八幡神社へ詣でる道中に名乗りをします。初めて歌舞伎という日本の伝統芸能に触れる子供たちには、親しみやすく、それでいて七五調のセリフ回しや、見得を学べる、私たちにとっては基本になる作品です。

 

「菅原伝授手習鑑」

平安時代に菅原道真が、藤原時平の陰謀によって左遷された事件などを題材にした演目です。全5段構成で、三つ子の兄弟である梅王丸・桜丸・松王丸が、敵味方に分かれて争う「車引」は3段目の最初の場面になります。

 

「仮名手本忠臣蔵」

歌舞伎を代表する演目の1つで、元禄時代に起こった赤穂浪士による仇討ちを題材にした演目です。物語の設定は、南北朝時代の騒乱を描いた「太平記」に移され、登場人物の名前は「太平記」の人物名に置き換えられています。史実の吉良上野介は高師直、浅野内匠頭は塩冶判官となり、大石内蔵助は大星由良之助という役名で登場します。全11段構成で、「祇園一力茶屋」はその7段目になります。

 

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